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「ドクメンタ15でアーティスト栗林隆の展示を成功させたい!」クラウドファンディング始動!

ドクメンタ15会場にて設営中の「元気炉」
撮影、志津野雷

2022年6月13日(月)より、世界的に知名度の高い国際美術展であるドクメンタ15に日本から唯一招聘されている「CINEMA CARAVAN & TAKASHI KURIBAYASHI」のうち、アーティスト栗林隆の「元気炉」を制作・運営していくための必要資金を募集するため、クラウドファンディングサイトCAMPFIREにて募集を開始しました。

栗林隆の募集を開始したクラウドファンディングサイトCAMPFIREのプロジェクト・リンク:https://camp-fire.jp/projects/view/599226

ドクメンタ(documenta)とはドイツの中央部(かつての東西ドイツ国境付近)、ヘッセン州にあるカッセルで、1955年以来、5年に一度行われる現代美術の大型国際展です。毎回設定されるテーマのもとに現代美術の先端を担う作家を世界中から集めて紹介するという方針で開催されていまして、美術界の動向に与える影響力は非常に大きく、世界の数ある美術展の中でも最古の国際展である「ヴェニス・ビエンナーレ」に匹敵する重要な展覧会の一つに数えられています。1975年のドクメンタ5 (第5回)以降は、毎回チーフキュレーターが選出され、テーマや作家選考を一任されるようになったことで、その時代における世界情勢等への考察を通じた一つのテーマが掲げられるため、アートを通して世界に何を訴えられるかという要素が強く出てくるようになりました。

1955年以来4-5年に1度開催されてきたドクメンタ
出所:documenta website

今回のドクメンタ15(第15回)の芸術監督を務めるのは、「ルアンルパ」というインドネシアのアート・コレクティブです。彼らがここで掲げるコンセプトは「ルンブン(Lumbung)」です。インドネシア語で直訳すると「米倉」となるこの言葉には、「コミュニティにある知識やアイディア、資源などを集約し共有する」という意味が込められているようです。その言葉の通り、開催に向けて世界中から参加する54組のアーティストが、事前にオンラインで協議をしていく過程(「毎回5時間はかかる。。(涙)」栗林隆談)も重視されているだけではなく、ドクメンタ15以降も長期的な交流や持続的なつながりを目指しています。さらに、現代アートの根本的な概念を広げたいというルアンルパの考えから掲げられたスローガンは

No Art Make Friends

美術展とは思えないスローガンからも注目せざるを得ない内容となりそうです。今回、「CINEMA CARAVAN & TAKASHI KURIBAYASHI」が招聘された経緯は、こうしたルアンルパが設定した「ルンブン (Lumbung)」というコンセプトに、彼らが長年コミュニティやつながりを重視してきた活動内容が合致しているところが大きいといえます。会期は、2022/6/18 – 2022/9/25となります。

プロジェクト立ち上げの背景

プロジェクトが立ち上がった理由は、こうした世界的知名度の高い国際美術展に出展が決まった栗林隆の展示を成功させたいという純粋な思いや、支援したいと思わせる本人のパーソナリティによるところも大きいと言えます。

今回展示を行う「元気炉」は、栗林隆が、2020年から2021年にかけて入善町(富山県)入善町 下山芸術の森 発電所美術館で開催された個展での作品に端を発します。この作品「元気炉」が生まれた背景としては2011年に起きた東北大震災まで遡ります。自身はこう述べています。

2011年3月11日、東日本大震災、それに伴う福島第一原子力発電所の事故、これらの一連の出来事が、私に絶望と、新しい時代への可能性を感じさせました。可能性とは、この事故をきっかけに多くの人達が目を覚まし、時代の流れが自然エネルギーや再生可能なものへと大きく舵を取り、全く違う世界へと変化する、千載一遇のチャンスだと捉えることもできたからです。

ここで栗林さんは、原発事故の恐ろしさを認識しましたが、現状の原発に批判的に傾倒するよりも、人々にとって可能性と持続性の高いエネルギーのオプションの提案をしています。このアイデアの源泉ともなったのは、20代の頃にタイに赴いて現地式の薬草スチームサウナで、崩れた体調が整い、自分自身のエネルギーを取り戻したことだと言います。

この数十年かけて紡がれたきた思いやつながり、負を正へと転換させようとする発想と試み、そしてドクメンタ15に掲げられたコンセプトやスローガン、これらすべてが示し合わせたように合流したこと、その全体像を聞いて、生物的にも社会的にも美術的にも魅力を感じてこのプロジェクトを立ち上げました。

栗林隆のこれまでの歩み、そしてどのようにドクメンタ15へと繋がってきたかについては、CAMPFIREのサイトにて掲載しておりますので是非ご覧になってください。

資金の使い道

元気炉の釜を構築する各構造と水風呂一式に480,000円、躯体に使用するパイプ類やフレーム木材・鉄鋼等 830,000円、薪や薬草に290,000円、栗林さんとアシスタント2名の航空賃に510,000円、栗林さん滞在費(90日間)に720,000円、日本およびインドネシアからのアシスタント各2名の滞在費(各々、14日間と30日間)に704,000円、日本およびインドネシアからのアシスタント各2名の日当(各々、14日間と30日間)に980,000円、アーティストフィーとして500,000円で、合計 5,014,000円となります。ここから、主催のドクメンタ運営側より1,000,000円の資金提供があることと、CAMPFIRE手数料 約550,000円(総支援額の17%+税)を考慮すると、4,500,000円ほどが必要となります。

スケジュール

6月18日 ドクメンタ開始 (栗林隆は既に現地入りし制作を開始しています)

7月31日 クラウドファンディング終了

9月25日 ドクメンタ15終了

10月下旬  一般社団法人something like this ウェブサイトにおける本プロジェクトの報告ページにて、支援者の方々のお名前を掲載

10年下旬 リターン発送 (3,000円および5,000円のコースのリターン)

11月下旬 リターン発送 (10,000円以上のコースのリターン)

12月上旬を予定:活動報告会および交流会の開催

また、栗林隆への応援メッセージも、CAMPFIREのサイトにて掲載しておりますので是非ご覧になってください。

栗林隆本人からのメッセージ

1992年 20代半ばの、 漠然とアーティストになるとの想いで渡ったドイツ。 そして、ドクメンタと言う舞台に出る作家になりたいと言う思いで生活したカッセル。ドイツでの12年の月日が経ち、 日本の仲間を作りたい、と本帰国をし流れ着いた神奈川県の逗子。もう一度、海外に出なくては、 と言う思いから、自然の流れでたどり着いた インドネシア、ジョグジャカルタ。 今、起きている事、 これから起きる事、 そして、多くの人達、生き物、自然、 全てから貰うエネルギーやサポート。 全ては繋がっていて大きな意味がある事だと確信している。

今回のドクメンタ15では、 28年前の仲間たちが、 ドクメンタのスタッフの中に大勢いて、色々なところでサポートしてくれている。そして今、 逗子で出会い、一緒に時間を過ごしていたCinema Caravanの仲間達とこのドクメンタ15に参加し、毎日、今この瞬間も、作業にあけくれている。そのドクメンタに我々を呼んでくれたのが、インドネシアで出会った多くの仲間たちであり、その仲間たちのグループの一つ、ドクメンタ15のディレクションを務める”ルアンルパ”なのである。人生の必然性に驚いているし、感動もしているし、 そして感謝している。彼らに1番最初にドクメンタに誘われた時の言葉を今も忘れない。 

Taka! (栗林さん)

 今回のドクメンタは、 “No Art Make Friends”だ! 俺たちの仲間作りを手伝ってくれ!! 

という言葉だった。アートの可能性、 人間とは、自然とは、そして宇宙とは。今回の大きな流れ、壮大なプロジェクトに、皆さんに、ぜひ力を貸して頂きたい! そして、こんな時代に、多くの仲間作りの一員になって頂きたいと思っています。 

栗林隆と「元気炉」ミノムシ型 (逗子映画祭2022)

最後に

本プロジェクトでは、栗林隆がドイツのカッセルに現地入りし、ドクメンタ15が開始されてからも継続してファンディングを行います (会期の折り返し手前2022/7/31に募集を終了します)。この活動は、アフター・ドクメンタとして、ドクメンタ15の後も活動を続ける予定です。そのためにも、ドクメンタ15における活動の成功は大変重要だと考えています。栗林隆のプロジェクトを成功させるため、みなさまのご支援をなにとぞ宜しくお願い申し上げます!

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

栗林隆の募集を開始したクラウドファンディングCAMPFIREのリンク:https://camp-fire.jp/projects/view/599226